写真のような出っ歯の方は4番目の歯をぬいてできたスペースに前歯を後退させていきます。 通常、前歯を引っ張るための固定源として奥歯を利用します。 しかし、そうすると前歯が後退するとともに奥歯も前に動いてしまい、前歯が十分に後退しません。 そこで、ミニスクリューを固定源として使うと、ミニスクリューは絶対に動かないため、 抜歯でできたスペースに前歯がしっかりと後退します。
出っ歯の状態の方の前歯を後退させる場合
抜いたスペースを閉じる際に、前歯と奥歯で引っ張り合って、前歯は70%後退しますが、奥歯も30%前に移動してしまいます。
ミニスクリューで奥歯を固定して抜歯したスペースを閉じると、前歯は100%後退します。
前歯が噛み合ってない(開咬)の場合
奥歯の噛み合わせを低くすると、前歯が閉じますが、奥歯は非常に頑丈なため、奥歯を圧下して噛み合わせを低くすることは、 通常のワイヤー治療では非常に困難です。しかしミニスクリューを使うと比較的簡単に治療することができるので、今まで治らなかったような開咬も治ります。
状態の良くない歯を抜かなくてはいけなかった場合
前歯をできるだけ後退させたいケースでは、通常4番目の歯を抜歯しますが、4番目の歯が健康で5番目の歯が不健康な場合(歯の神経が無い、詰め物をしているなど)、 ミニスクリューを使えば5番目の歯を抜歯して前歯を100%後退させることができます。
固定源となる奥歯の本数が少ない場合
固定源となる奥歯の本数が少ない場合、前歯を後退させる時に、奥歯が大きく前にずれてしまいますが、 ミニスクリューを使えば前歯を100%後退させることができます。
ヘッドギアを使いたくない場合
ミニスクリューををせずに前歯を大きく後退させようと思った場合、従来はヘッドギア(頭蓋骨を固定源にするための装置)を装着しなければなりませんでしたが、 面倒さ、見た目、ずれると肌を傷つけることがある、などの点でミニスクリューを使うことが多くなっています。