受け口の原因はたくさんあります。遺伝的なものと後天的なものがあります。詳しくご説明します。
顔の形は親に似ます。特に顔の上半分は殆どが遺伝だと言われています。
下あごの場合はあごの先(オトガイ部)は遺伝の要素がかなり強いのですが、下あご全体の位置や形は後天的な要素が強く働きます。
お子さんは6才くらいで最初に前歯が生えてきますが、その時に前歯の位置が何らかの理由で逆になって下の前歯が上の前歯よりも出た状態になってしまい、そのまま噛み合わせが逆のまま成長してしまうこともあります。
本来は上あごが先に成長して、下あごが後からそれを追いかけるように成長するのですが、上あごの成長が不十分な場合、下あごが上あごより大きくなってしまい、そのままどんどん成長してしまうということになります。
舌が短いお子さんは受け口になりやすいです。普通、舌は上あごに接していますが、舌が短いと上あごを押すことができずに、上あごが成長不全になります。
さらに舌が下あごの後ろに位置してしまうので、下あごを成長させるように力が働いて、余計に受け口になりやすくなってしまいます。
くち呼吸の方は、鼻や鼻の骨の機能が不十分です。鼻と上あごの骨は連動しているため、上あごの成長不全が起こります。 そうすると、下あごが上あごよりも大きく成長してしまいます。
また、口から息を吸う時にたくさん吸おうとすると舌の位置が落ち込んでしまい、気道が圧迫されて狭くなります。その結果、下あごを前に出して息をするようになり、 それが長く続くと受け口になってしまいます。
大人は骨格の成長が終わっているため、上の前歯を前に動かし、下の前歯を後ろに下げることによって受け口を治していきます。
上あごの前歯を前に出して受け口を改善します。抜歯をせずに治療できることも多いため、治療期間も比較的短く済みます。
小臼歯を抜歯して5mm程度のスペースを作り、下あごの前歯を後ろに下げます。
重度の受け口は矯正か手術になります。
矯正では上の前歯より下の前歯が出ている位置関係を正しい位置に治す治療を行いますが、口元の突出感はあまり改善されません。
手術ではあごの骨を下げるため口元の突出感も改善されます(下あごセットバック)。
このように簡単に装着でき、装着していることがまったくわかりません
(ご家族でさえ気付きません!)
受け口の場合は、条件付きでマウスピース矯正はできます。
なぜかというと、裏側矯正は前歯を引っ込めるちからに優れているからです。
受け口の場合、前から4番目の歯を抜き、そこに出来たスペースに前歯を引っ込めることで治療します。
裏側矯正は装置が外側から見えないので、矯正していることを知られたくない、職業柄装置を見せたくないという方におすすめの治療法です。
従来の裏側矯正は既製品のものを使用しているため歯とブラケットを合わせる必要があり、それに接着剤を使用することで厚みができたり、オーダーメイドではないためブラケットが外れやすくなったりするというデメリットがありました。
それと比べ、当院で採用している「インコグニート」は、全てオーダーメイドでブラケットとアーチワイヤーを製作します。
患者さんの歯にあった形をオーダーメイドで製作するため、ぴったり合う装置を作ることができ、非常に薄いため違和感が少ないのが特徴です。
コンピューター制御でワイヤーを曲げていきます。
歯が最も効率よく動き、美しい歯並びになるよう、コンピューター制御でワイヤーを屈曲させます。
受け口は子どもさんのうちに治すのが絶対に良いです。
子どもさんのうちに治せば、完璧に治る可能性も十分ありますし、骨格や歯並びも大人になってから治すよりダントツきれいに治ります。
受け口を何もせず放っておいた場合、自然に治る可能性は大変低いため、お子さんの成長と共に下あごの骨も成長し過ぎて手術が必要になるケースもあります。
子どもさんのうちから治せば手術を避けられる可能性がかなり高くなります。
受け口になる原因の一つに、「上あごが小さいために、下あごが成長し過ぎてしまった」ということがよくあります。下あごが成長し過ぎてしまって前歯のかみ合わせが逆になると、さらに上あごの成長を抑制することになり、下あごが前に成長してしまいます。
そのため、子どもさんの受け口の矯正治療は上あごの成長促進と下あごの成長抑制を行うことが大原則になります。遺伝が原因であってもその治療方針は同じです。
治療を始める時期ですが、受け口の原因が上記に説明したような、骨格が原因の場合は少しでも早く始めた方がいいです。
ただ、早くとは言っても、3〜5才からになります。3才未満ですと、治療自体に子供さんの協力が得られないことと、3才を過ぎてからからでも間に合うからです。
3〜5才の子供さんの場合は「ムーシールド」という装置を寝ている時に装着する簡単な方法で治していくことが多いです。
ムーシールドは主に上あごの成長を促進する装置です。
● 6才くらいの場合
6才くらいからは、もっと積極的に上あごを前方に成長させる装置を使います。上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)と言います。
この装置は、上あごを前に成長させ、またそれと同時に下あごの成長を抑制して、受け口を治します。現状では最もいい治療法です。
● 11才を過ぎている場合
11才を過ぎている場合は、上あごの成長が終わっているため、下あごを成長させるチンキャップ(下あご成長抑制装置)を使用します。
こどもの受け口治療は年令に合わせた装置であごの成長をコントロールしていきます。成長のコントロールによって歯並びもきれいになることもありますが、必要に応じて永久歯列期(12才位〜)にワイヤー等の矯正器具で歯並びを整えます。
骨格には問題がなく上の前歯の位置が下の前歯の後ろになってしまっているだけであれば、リンガルアーチという装置を使って、歯の位置を治します。6〜8才の時期に使用します。
【治療内容】
前歯1本だけが反対咬合になっていたお子さんの症例です。その歯1本だけを前に出すためにリンガルアーチという装置を入れて、前歯1本だけを前に出しました。治療期間はおよそ3週間です。
【費用】
120,000円(税抜)
【リスク】
装置の入れ始め一週間くらいは慣れないので、ついつい装置を指で触ってしまうことがありますが、指で触ると装置が変形する可能性がありますので触らないように気を付ける必要があります。
受け口治療に関する私の思い
私は受け口の患者さんの治療をかなり行って来ましたが、皆さん「受け口を治したら人生が変わるくらい良かった」とおっしゃいます。
例えば、八重歯や乱ぐい歯が治るよりも、受け口が治る方がインパクトというか、変化が非常に大きいのです。
受け口が治って、コンプレックスがなくなって性格が積極的になり、女性であればすごく美人になり、本当に 人生が変わるくらい明るくなり、雰囲気が変わられた方もいます。
目鼻立ちは美人や男前なのに、受け口であるが為にそう見えない方がいらっしゃいます。
是非、受け口は治されて下さい。治療自体は2年くらいかかることも多いですが、必ず治された甲斐があります。
総院長 松本正洋
ドクターがご希望や不安に思っていることをお聞きします。わからないことはどんどんお尋ねください。
あなたの歯並びを徹底的に調べ、歯並びや顎の問題点を確認します。
検査結果をもとに、具体的な矯正歯科の方法をご提案します。患者さんのご希望と現在の歯や顎の状況に合わせて様々な方法から選んでいただけます。
矯正装置を装着します。しめつけ感や噛んだ時に痛む場合がありますが時間と共に解消しますのでご安心ください。口の中の違和感やしゃべりづらさ、かみづらさも徐々に慣れてきます。
1〜2ヶ月に約1回のペースで通院していただきます。
治療期間を経て歯並びがきれいに整ったら矯正終了です。装置を取り外してすぐは歯並びがまだ安定していませんので保定装置を付けていただきます。
キレイな歯並びや健康な歯を保つために定期的にチェックします。
受け口でお悩みの方はご相談ください。
総院長の松本正洋がお答えします。